すい臓とは

すい臓の解剖

 厚さは約2cmで、門脈や大動脈といった血管や胆管に囲まれた臓器です。膵臓の役割は、食物の消化(膵液の分泌)、胃酸の中和、血糖調節(ホルモンの分泌)です。

すい臓の病気はなぜ見つかりにくい?

すい臓のCT

膵臓は胃の裏側にあるため病気が見つけにくく、検査も難しい臓器です。

すい臓がん

 すい臓の病気としては、炎症性疾患や自己免疫性疾患、腫瘍性病変があげられますが、特に皆様が心配されているのが『すい臓がん』ではないかと思います。ここでは『すい臓がん』について説明します。

すい臓がんはどこからできる?

がんの発生部位

すい臓がんのステージ・余命は?

すい臓がんのステージ

     治癒するには、腫瘍が2cmを超えない、すい臓の中に限局した段階で診断する必要があります。ステージⅠ〜Ⅱであれば治癒が可能で、長期生存が望めますが、ステージⅢ以降は治癒することが困難です。加えて、早期がんでの発見は非常に困難な上に進行が早く、きわめて予後が悪いがんとなっております。

早期発見するには?

 すい臓がんは、残念ながら進行した症例がほとんどで、手術で切除できる2cm以下の早期すい臓がんはなかなか発見できません。早期に発見するには間接所見を見逃さないことが重要です。

間接所見とは?

間接所見は以下の4つがあります。

  1. 糖尿病:新規指摘、急激な悪化
  2. 膵管拡張
  3. 膵のう胞性病変
  4. 慢性膵炎

 ②〜④に関しましては腹部エコーで評価します。すい臓がんの約7割は腹部エコーで発見されていることから、まずは腹部エコーを行い、その結果をきちんと見極める必要があります。また、腹痛や上腹部の不快感を訴える患者さんの場合にも腹部エコーを行い、膵管拡張や膵のう胞が見られるか注意を払います。少しでも怪しいと思った場合には、すぐに総合病院で精密検査を受けることが重要です。